ご覧いただきありがとうございます!
領護(りょうご)です。
皆さんは普段、アカウントのパスワード、どう管理していますか?
オンラインゲーム、SNS、ネットバンキング、証券口座など、今や、様々なインターネットサービスを利用するたびにアカウントを作成するのが当たり前になっています。
とても便利な時代になった一方で、その便利さを悪用する人たちがいるのも事実...。
近年では、証券口座の乗っ取りや不正ログインといったサイバー犯罪が急増しています。
実際、私の知人も約900万円もの被害に遭ってしまいました。
その話を聞いて心が痛み、少しでも多くの人に安全で快適なインターネットライフを送ってもらいたいと思い、このような記事を書くことにしました。
私はセキュリティの専門家ではありませんが、自分のできる範囲でしっかりと対策をしており、これまでアカウント乗っ取りやトラブルに巻き込まれたことはありません。
この記事を通して、少しでもセキュリティの重要性を知っていただき、大切な資産を守るきっかけになれば嬉しいです。
今回はその第一弾として、私が数年前から愛用している無料のパスワード管理ツール「KeePassXC」をご紹介します。
企業案件などではありませんのでご安心ください(笑)
今後もセキュリティ関連の記事を少しずつ発信していく予定です。
「こんなことも取り上げてほしい!」というテーマがあれば、ぜひお気軽にダイレクトメッセージやお問い合わせフォームからご連絡くださいね!
なぜ、パスワード管理ツールを使うべきなのか
1. セキュリティの向上
同じパスワードを複数のサービスで使い回したり、覚えやすさを優先して簡単なパスワードを設定したりしていませんか?
実は、こうした行為はサイバー攻撃に対して非常に脆弱です。
一度どこかでパスワードが漏洩すれば、連鎖的に他のアカウントまで乗っ取られてしまうリスクがあります。
さらに、紙に書いたりメモ帳に保存したりする方法も、紛失や盗難といった別のリスクを伴います。
「二段階認証があるから大丈夫」と思っている方も要注意です。
二段階認証はあくまで“最後の砦”であり、その前段階であるパスワード自体が突破されないことが重要です。
そこで役立つのがパスワード管理ツールです。
これを使えば、各サービスごとに複雑で推測されにくい、しかも重複のないパスワードを自動で生成・管理することができます。
2. 利便性の向上
パスワードの管理には、意外と“見えない時間”を浪費しています。
新しいアカウントを作成するたびにパスワードを考え、ログイン時には「なんだっけ…?」と思い出そうとし、忘れてしまったときには再発行の手続きをしますよね。
一つ一つは1〜3分程度の作業でも、日々積み重なればかなりの時間を奪われています。
でも、パスワード管理ツールを使えば、その手間から解放されます。
覚えるのは「マスターパスワード」たった1つだけでよく、あとはツールが、安全かつ適切なパスワードを自動で生成・入力してくれます。
ログイン操作のたびに迷わずスムーズにログインができ、セキュリティが向上するだけでなく、時間浪費とストレスの軽減にもつながります。
パスワード管理ツール「KeePassXC」とは

クロスプラットフォームのパスワードマネージャー
KeePassXCでパスワードを安全に保存し、お気に入りのアプリに自動入力できるので、パスワードを忘れることはありません。
私たちは、無駄を省き、広告なし、トラッカーなし、クラウドなしで、重労働をこなします。
無料かつオープンソースです。
KeePassXC公式サイトから引用
KeePassXCの主な特徴
・強固な暗号化で大切なパスワードをしっかりと保護
・ウェブサイトやアプリケーションへのログイン時にパスワードを自動で入力
・自分で複雑なパスワードを考える手間を省き、強力なパスワードを簡単に生成
・インターネット接続がない環境でも安心して利用可能
・Windows、macOS、LinuxといったデスクトップOSに加えて、スマホ(iOS/Android)でも利用可能
・公式サイトは英語ですが、ツール自体は日本語で利用可能
操作方法も簡単で、強固なパスワードを安全に管理できます。
「KeePassXC」のインストール
早速KeePassXCをインストールします。
今回は、デスクトップ版(Windows11)を例に説明します。

KeePassXC公式サイトにアクセスして「DOWNLOAD」ボタンをクリック

ページ遷移後、「DOWNLOAD FOR WINDOWS」ボタンと「MSVC Redistributable」ボタンをクリックして2つのファイルをダウンロード
「MSVC Redistributable」は、KeePassXCを利用するために必要になります。
MacやLinuxを使用している場合は、ボタンの表記がお使いのOSになっています。

この2つがダウンロードされていることを確認

「VC_redist.x64.exe」をダブルクリックしてインストーラーを起動
ライセンスにチェックを入れて「インストール」ボタンをクリック

インストール完了後、「再起動」ボタンをクリックしてPCを再起動
PC再起動後、KeePassXCのインストールに進みます。

「KeePassXC-2.7.10-Win64.msi」をダブルクリックしてインストーラーを起動
「Next」ボタンをクリック

ライセンスにチェックを入れて「Next」ボタンをクリック

インストール先を指定後、2つの項目にチェックを入れて「Next」ボタンをクリック
これらの項目は、ショートカットファイルの作成と、PC起動時のKeePassXC自動起動に関する設定です。

「Install」ボタンをクリック

KeePassXC起動にチェックを入れて「Finish」ボタンをクリック

このような画面が表示されたらKeePassXCのインストールは完了です。
「KeePassXC」の基本的な使い方
「KeePassXC」の基本的な使い方を説明します。
より細かい使い方を知りたい方は、「KeePassXC 〇〇 使い方」で検索してみてください。
言語を日本語に変更する
既に日本語の場合は、スキップしてもらって大丈夫です。
「パスワードを管理するファイルの作成」から進めてください。

上部メニューにある「歯車」アイコンをクリック

左メニューの全般設定から「基本設定」タブをクリック
下部にあるユーザーインターフェースの言語設定を「Japanese」に変更すると日本語表示になります。
パスワードを管理するファイルの作成

画面中央左の「データベースを作成」ボタンをクリック

「データベース名」と「概要」を入力後、「続き」ボタンをクリック
「データベース名」と「概要」には、自分が管理したい内容と説明文を入れてください。

「データベースの形式」は、拘りがなければKDBX4(推奨)を選択
「復号時間」も拘りがなければ「1.0秒」に設定して、「続き」ボタンをクリック
注意!
復号時間が長いほど安全性は高まりますが、ファイルの読み込みに時間がかかります。

マスターパスワードを入力して、「終了」ボタンをクリック
マスターパスワードは、KeePassXCでパスワード管理ファイルを開く際に必要なパスワードです。
パスワードの文字数は、20文字以上が好ましいので、頑張って考えてみてください(笑)
基本的には、このマスターパスワードだけを覚えておけば大丈夫です。
注意!
このマスターパスワードを忘れると、パスワード管理ファイルが開けなくなるため、必ずメモして安全な場所に保管してください。

ファイル名と保存先を指定し、「保存」ボタンをクリック
注意!
このパスワード管理ファイルも紛失すると開けなくなるため、必ずバックアップを取り、安全な場所に保管してください。

このようなKeePassXC専用のパスワード管理ファイルが作成されれば完了です。
もう一度言いますが、マスターパスワードとパスワード管理ファイルは、絶対になくさないように保管してくださいね!
アカウントを登録して管理する

パスワード管理ファイルを作成すると、KeePassXC専用の管理画面が表示されます。
ここからアカウントを登録します。

上部メニューの「+」アイコンをクリック

「タイトル」と「ユーザー名」には、それぞれ下記の内容を入力します。
タイトル:何に使うアカウントなのか名前を入力(例:Googleアカウント)
ユーザー名:アカウントのユーザー名を入力(例:example@gmail.com)

既にパスワードがある場合は、入力欄にそのまま入力します。
新しくパスワードを生成する場合は、「生成」ボタンをクリック

パスワード生成には、長さや使用する文字種別を設定します。
左上に表示されるパスワード品質が「すばらしい」になることを目安にしてください。
また、各サービスのパスワード上限に合わせて長く設定するのがおすすめです。
このパスワードは覚える必要がないため、長くしておくほど安全ですからね。
パスワード生成完了後、「パスワードを適用」ボタンをクリック

サービスによっては、使用できる文字種別が制限されている場合があります。
その際は、「詳細設定」ボタンをクリックして、使用する文字種別を細かく調整できます。

その他の項目には、必要に応じて以下の内容を入力して、「OK」ボタンをクリック
URL:ログインページや関連するサイトのURLを指定
タグ:検索時に使えるキーワードを指定
期限:アカウントの有効期限がある場合に設定
メモ:アカウントに関する詳細や備考を記載

このように登録した内容がリストに表示されればアカウント登録完了です。
実際のログインに使用する
登録したアカウントを使用して各サービスにログインする手順を説明します。

先ほど登録した項目を右クリックし、「ユーザー名をコピー」をクリック
ユーザー名がコピーされるので、各サービスのログインページのユーザー名欄に貼り付けてください。
※ コピーの有効時間はデフォルトで10秒間です。10秒を過ぎたら再度クリックしてコピーしてください。
この有効時間は設定で変更可能です。

次に「パスワードをコピー」をクリック
パスワードがコピーされるので、ログインページのパスワード欄に貼り付けてください。

自動入力機能もありますが、ログインページによってはうまく動作しないことがあるため、ユーザー名とパスワードを別々にコピーして貼り付ける方が確実です。
これで登録したアカウント情報を使ってログインできるようになります。
今まで紙に書いたり、頭で覚えたりしていたユーザー名やパスワードをより安全かつ簡単に管理できるようになりましたね!
アカウントを編集・削除する
登録したアカウントを編集したり、削除する手順を説明します。

対象のアカウントを右クリックし、「エントリーを編集」をクリックすると、アカウント情報を編集できます。

対象のアカウントを右クリックし、「エントリーを削除」をクリックすると、アカウント情報を削除できます。
KeePassXCを再度開く

PCを再起動したり、KeePassXCを一度閉じてしまった場合は、パスワード管理ファイルに再度アクセスするためにロックを解除する必要があります。
その際は、先ほど設定したマスターパスワードを入力して、「ロック解除」ボタンをクリック
これで、再びKeePassXCの専用画面が開き、保存しているパスワード情報が閲覧できます。
スマホ(iOS/Android)で使用する
スマートフォンで使用する場合は、以下のサイトからKeePassXCと互換性のあるアプリをダウンロードして利用できます。
今回作成したパスワード管理ファイルをスマートフォンにコピーし、アプリで開けば、PCと同じように管理・使用できてとても便利ですよ!
iOS版
iOSアプリはこちら
Android版
Androidアプリはこちら
おまけ!面白い情報セキュリティ関連書籍3選
これまで私が読んできた中で、特に面白く、学びが多かった情報セキュリティ関連の本を3冊ご紹介します。
興味があればぜひ手に取ってみてくださいね!
3冊目はやや専門的な内容で若干難しいかもしれません。
1.『伝説のハッカーが教える 超監視社会で身をまもる方法』(ケビン・ミトニック 著)
今回ご紹介した「KeePassXC」を知るきっかけにもなった一冊。
“伝説のハッカー”ケビン・ミトニック氏が、現代社会における監視とセキュリティリスクについて、豊富な実例を交えて分かりやすく解説しています。
特に印象的だったのは、「コンピューターの処理速度が上がるにつれて、6文字や8文字程度のパスワードは簡単に突破されてしまう」という指摘。
さらに、どのようなアカウントが狙われやすいのかを“ハッカー目線”で解説してくれている点も非常に興味深いです。
堅苦しい雰囲気はまったくなく、読み物としても非常に面白い内容でした!
2.『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』(ジョン・マコーミック 著)
こちらはセキュリティ専門の書籍ではありませんが、公開鍵暗号や秘密鍵の仕組みなど、セキュリティの核となる技術についても触れられており、非常に勉強になります。
どのアルゴリズムも、「なぜそれが強力なのか」をたとえ話を交えながら丁寧に解説してくれるので、コンピューターの仕組みやロジックが好きな方には特におすすめの一冊です!
読み終わった後には、きっと「アルゴリズムってすごい!」と感動すること間違いなしですよ!
3.『暗号技術のすべて』(IPUSIRON 著)
古典的なシーザー暗号から、現代の公開鍵暗号まで網羅的に暗号技術が解説されています。
体系的に暗号の歴史や構造を学べるので、しっかりと理解を深めたい方にぴったり!
この本はやや専門的な内容を含んでいるため、意外と難しく感じるかもしれません。
それでも文体は丁寧でやさしく、図解も豊富に使われているため、無理なく読み進められる構成になっています。
「情報セキュリティの世界に踏み込んでみたい」「暗号技術に興味がある」という方には、ぜひ一度手に取っていただきたい一冊です!
最後に
今回は、無料で使える最強のパスワード管理ツール「KeePassXC」を使って、アカウントを安全に守る方法を解説しました。
今後ますますインターネットサービスが私たちの生活に欠かせないものとなる中で、しっかりと正しいセキュリティ知識を身につけて、大切な資産を守ってください!
また、情報セキュリティに関する記事のネタも募集中です!
「こんなことが知りたい」「こういう話を取り上げてほしい」などがあれば、ぜひお気軽にメッセージをよろしくお願いします。
それでは、安全で快適なインターネットライフを!